虹色ソルテ

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Happy ever after 新刊

A5 二段組 P34

自覚ありと自覚なしの二人が、亡国で再会してからさらに年月が経っていろんな人に背中を押されながらようやくくっつく話。
  • p1

    Happy ever after

 カリカリ、とコーヒー豆を挽くミルの音が心地よく響く。まだ起きている団員も少ないからか艇の中は静かで窓からは変わらない青空が覗き、サンダルフォンが挽くそのミルから香ばしい匂いが広がっていた。
 カウンターには、パーシヴァルの他に、何やら今にも寝そうなひどい顔でコーヒーを飲んでいるカリオストロの姿がある。どうせまた夜な夜なおかしな研究か本でも読んでいたのだろうと、先ほどサンダルフォンが呆れながらもコーヒーを差し出していた。
「ランスロットは艇を降りたのか」
 慣れた手つきでコーヒーを生み出す彼の手元を何となしに見ていたパーシヴァルに、サンダルフォンは唐突に口を開いた。他愛もない話をすることも多かったため声をかけられたこと自体は驚きも無いが、飛んできた名前は予想外だったため少し目を丸くする。
「ああ。一昨日、だったか」
「そうか」
 その少し残念そうな声に、パーシヴァルはどうしたのかと問おうとしたが、ちょうどランスロットが艇を降りた日はサンダルフォンが不在だったことを思い出す。

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