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人一倍難儀な男たち 新刊

A6文庫180P(R-18)

1編あたり10~20ページ前後の短編集です。黒竜時代だったり現在だったり、パーシヴァル視点だったりランスロット視点だったり、種々詰め合わせました。
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    人一倍難儀な男たち

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    人一倍難儀な男たち

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    人一倍難儀な男たち


 ランスロットはパーシヴァルの淹れた紅茶のカップを手に取ると、口元に運んだところでぴたりと笑みをやめて神妙に眉を寄せた。
「どうした?」
「いや、懐かしい匂いだな、と思って……」
「紅茶か? ああ、確かに俺がフェードラッヘにいた頃はこの茶葉を持ち込んでいたな」
「俺にも何回か淹れてくれただろ。そうか、あれはウェールズ産の紅茶だったのか」
そう言われて、ぼんやりと浮かんでいたかつてのフェードラッヘでの日々が唐突に鮮明に色付いた。黒竜の副団長として共に王と国を支えていたあの頃、何かと根を詰めがちなランスロットにとにかく休めと促してはこうして茶を淹れてやっていた。大体は執務室に置いてある適当な流通品の茶葉を使っていたが、時折気まぐれで自分好みのこの茶葉を融通してやったことがあったかもしれない。何を飲ませても食わせても美味いと言う男だ。紅茶の味などどうせ分かるまいと思っていたが、覚えていたのか。

 よく味わうようにゆっくりと一口飲み、一つ溜息を零すと、ランスロットは口元を引き結び真剣な顔のままパーシヴァルの方に向き直った。
「……お前と、ちゃんと話がしたかったんだ。色々あって遅くなってしまったけど。話したいこと、話さなきゃいけないことが沢山ある」

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人一倍難儀な男たち

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Für zwei, Los! 新刊

A5,48p,全年齢

黒竜副団長時代に恋人となった二人が、周りにバレそうでバレないギリギリを攻めつつ恋人らしいことをしようとチキンレース的な勝負を繰り広げ続けるお話です。黒竜編、グランサイファー編、フェードラッヘ王城再び編、全3話。
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    Für zwei, Los!

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    Für zwei, Los!

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    Für zwei, Los!


 ばたばたと騒々しい足音が二つ分遠ざかれば、二人だけが残った食堂は先と打って変わってしんと静まり返った。
「なかなか苦戦したな」
「仕方ないよ。あれくらいの歳ならそれなりにプライドも責任感もあるからな。特にあの子たちは」
「全く……難儀なやつらだ」
 ティーカップが隣のテーブルに置かれ、パーシヴァルは椅子を横向きにどっかりと腰掛けた。こいつにしては些か品のない仕草だ。気が緩んだ様子にかこつけて意味深に右の手のひらを向けてみれば、ぱんと小気味良い音でパーシヴァルの左手が打ち付けられた。
 言葉のない策を通じ合わせて成功した時、それを分かち労いを交わす時の爽快感は、何年経っても良いものだ。

 黒竜騎士団の頃、俺は本来得意だった双剣を封じていた。不慣れと未熟さを打ち消すべく、がむしゃらに鍛錬に励んでいたのを覚えている。剣の型が定着するまで、という師の指導理由には納得していたが、死角のない双剣の強みを失ったのは痛かった。
 そして、俺自身の性格も相まってつい守りを疎かにしがちな左半身を、毎度小言を挟みつつカバーしてくれていたのがパーシヴァルだった。そうなると当然、肩を並べて戦う時の立ち位置も決まってくる。※引用部分

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